私がシックビル症候、群を知ったのは1980年代の中頃だと思います。その頃新聞等で時々取上げられていました。
私自身、新築住宅や新築ビルに関わる仕事を行っていたので、目や鼻、喉に刺激を感ずることも時々あり、換気には注意していました。


シックビル症候群
1970年代に世界的な石油不足(オイルショック)が二度発生しました。日本でもガソリンやトイレットペーパー不足等で大変混乱した時代です。

この石油不足により欧米を始めとして省エネルギーが叫ばれるようになりました。
ビルのオーナーは冷暖房費の節約と省エネルギーのため、室内の温度や換気量を抑え冷暖房ロスを少なくして空調設備を運転していました。
また、建築技術の進歩により高断熱・高気密のビルも増え始め、
1980年代初め頃からアメリカで省エネルギーを進めたビルにおいて、居住者から身体の不調を訴える苦情が増加してきました。

その内容はめまい、吐き気、頭痛、目、鼻、喉の痛みや唇、喉、皮膚、粘膜の乾燥などで、これらをシックビル症候群(Sick Building SyndromeSBS))と呼ぶようになりました。

これらは省エネルギーを進めたためにビルの室内環境が悪化してきたことを示しています。
換気量不足により室内空気中のCO2CO、体臭、香水、タバコの煙、ペンキや接着剤などの溶剤の揮発、家具や建材などから発生するホルムアルデヒドなどの濃度が上がり、室内空気の汚染を引き起こしたからです。これらが音や振動などの物理的要因や心理的要因と結びつき、さまざまな症状として表れます。

日本では1970年に建築物の衛生的環境の確保に関する法律(ビル管法)が定められ、室内汚染物質の濃度基準を定めたためシックビル症候群はそれほど騒がれなかった。但し、新築住宅の建材や家具の防腐、防虫材などから発生するホルムアルデヒドや接着剤やペンキなどから発生するトルインなどの揮発性有機溶剤(VOC)などによる室内空気汚染から引き起こされる。めまい、吐き気、頭痛、目、鼻、喉の痛みなどの症状をシックハウス症候群と呼び、こちらの方が一般的に報道されることが多い。
最近では、カビやダニも含まれることもある。

シックビル及びシックハウス対策

1.竣工間もない建物はホルムアルデヒドや揮発性有機溶剤などの濃度が高いため十分な換気を行う。(換気扇による強制換気を行う)

2.土台に天然木のヒノキやヒバを使用する。防蟻剤を使用しない。

3.床下換気を十分行う。(換気扇による強制換気など)

4.塗料や接着剤に有機溶剤を含まないものを使用する。

塗料は水性塗料など

接着剤は壁紙用としてメチルセルロース系など

5.揮発性有機物質を含まない建材を使用する。

6.ビニールクロスはできるかぎり使用しない。

7.床材は天然木を使用する。

8.合板は低ホルムアルデヒド合板(F1タイプ)、ノンホルム合板、低ホルムアルデヒド含有パーティクルボードや中質繊維板(MDF)を使用する。

上記をまとめると建材や塗料、接着剤はできる限り天然材料を使用すること。竣工後は換気を十分行うことです。また、活性炭などを使用して室内汚染物質を吸収することも一つの方法です。

以前、新築マンションで竣工後、5年間使用していなかった部屋を点検したことがあります。室内空気中のホルムアルデヒド濃度が高く、目を明けることができなかった経験があります。換気をしなければ竣工後数年経ってもシックハウス症候群は解消されないことを体感し、あらためて換気の重要性を痛感しました。